『奇跡の生還へ導く人』 (本)

山友から勧められたこの本、副題に「極限状況のサードマン現象」」となっています。読んでいて楽しくなる本ではないですが不思議な話が、それも個々の体験を詳しく調査したうえでの現象が、いろいろなケースで説明されています。それは、遭難や漂流あるいは災害時などに危機的状況に陥った時に、「何者か」が現れて、その人(人々)を生還に導いてくれる、という経験実話が収録されています。それが「サードマン現象」と呼ばれているのです。常識ではありえない話ですが実話であり、人には言えなかった自分の不思議な経験を、作者はその人に面談し、聞きだし、本にしたノンフェクションです。

《「奇跡の生還へ導く人」の表紙》
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主な話は山での遭難や、南極大陸での遭難、海底探検などの冒険中に起こった話が主体ですが、冒険家のシャクルトンや登山家のメスナーの事例、また飛行機で初めて大西洋を横断した「リンドバーク」の逸話や、あの9.11テロ事件の生還者にも「その人」」は現れたとの実例が紹介されています。

危機的条件下で、あわや死にかけたときに、不思議なことに自分たち以外の第三者が自分たちと一緒に行動しているのを見、または感じ、そのことが恐怖でなく、本人に安らぎを与え、その人の指示によって、無事に危機的状況から抜け出せたという体験談です。これは何を意味するのか? 昔からキリスト教では信心深い人に「守護天使」が現れてその人を守ってくれるという考えがありましたし、仏教でも同じような話はあると思います。

その一説から:
ロッキーの山で雪崩に会って遭難した山オタクの二人のうち一人は背骨を真っ二つに折って死んだが一人はは生き残った。

“その時突然、すぐ傍に見えない「存在」があるような奇妙な感覚におそわれた。目には見えないが、確かに何かがそこにいた。その「存在」は心に語り掛けてきて、はっきりと告げた。「あきらめてはいけない。がんばりなさい」と。  それは僕に何すべきか告げた。あの時僕が決めたのは、リックの隣に横たわって眠り、死を受け入れることだけだ。自分で決めたのはそれだけだった。それから後のことは、全部あの「存在」が決めたことだ。僕はただ指示されたとおりにしただけだ。・・・・それが僕に何をさせたいのかわかっていた。僕を生かしたかったのだ”

作者はこの現象を、宗教学的見地から、また脳学者や精神医学の専門家の研究結果を事細かに報告し、その正体に迫ろうと試みています。

正気に言って読みにくい本でしたが、どうしてその様は現象が現れるのか? 作者はどんな結論に達するのか?の興味もあって読み終えました。

人間とは不思議な生き物です。時には人知の及ばないところで奇跡がおき、何者かの存在を感じる時があるものです。 興味を持たれた方は是非一読していてください。

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この記事へのコメント

クサカル
2014年11月01日 16:46
私が死に最も近づいた瞬間は、浅間山で遭難したときです。ハイキングに行くような服装で、冷蔵庫の中のような寒さに加えて、体が吹っ飛ぶような強風、雨、足のケガ、裸足と重なり、明け方はもう本当に死ぬかと思いました。日が出てきて薄明るくなると、風に当たっている後頭部は吹き付けた雨が凍っていました。起き上がろうとしましたが、筋肉が硬直してしばらくまともに立ち上がれませんでした。そんな一夜を過ごしましたが、残念ながらサードマンは現れませんでした。信心が足らないせいか?日頃の行いか?心の支えは、家族でした。絶対生きて帰ってもう一度妻や子供たちの顔が見たい!その一心で頑張りぬくことができました。浅間山を降りたら、峰の茶屋で熱い天ぷらそばを食べよう!一晩中そういうことを考え続けました。それらの心の支えが無かったら、本当に死んでいたかもしれません。それでも一晩が限界ですね。骨折等で動けなかったら、二晩目はもう駄目ですね。御岳の噴火のときも最初の日、二日目の日くらいは少し無理してでも捜索を続けて欲しかったですね。
きらな
2014年11月01日 19:53
そうですか。軽装で登ったのはまだクサカルさんが山の怖さを知らなかった頃ですね。浅間山を軽く考えていたのでしょう。私は臆病ですから登る前から、登っている間も絶えず体力と相談しながら登っています。もう無理をする年齢ではありませんから。病気からの回復も体の抵抗力を高めるしかない、それは「必ず生き抜」くという気力が抵抗力を高めるのだ、と聞いたことがあります。遭難からの生還も同じことではないでしょうか?
「サードマン」の出現はストレスによる幻覚作用だとの説もあるようです。想像的思考にかかわる右脳が活発になると「想像上の『他者』に対する知覚などが右脳の産物が意識に入り込む」との説を唱える学者もあります。いろいろな説がこの本では丁寧に紹介されています。
「サードマン現象」は人間の奥深さを感じさせられます。

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