『山女日記』 (本)

元来、私は凝り性だし、時間もあるのでとにかく「山」と名がつくのは片っぱしから読んでみている。とはいえ全部が全部面白くて読むわけでもないが、どちらかというと田部重治などの明治の日本の登山開拓の頃のエッセイやヒマラヤ登はんのドキュメント、あるいは梓林太郎、森村誠一といった山岳小説の軽いのが好きである。この本も「山女」とあるので山岳小説かな、と思って読みだしたが、正直のところ期待外れだった。

《『山女日記』 (湊かなえ)著》
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作者の「湊かなえ」の名で、気が付くべきだったが、山ガール、山ボーイなどの若者向きの軽い小説であった。そうはいっても読まなくては話にならないので、読み始めたが、やはり「山ガール」向きの本なのだろう。出だしの(妙高山)から躓いた。いくら一目ぼれといっても山に登ったことがない女性がダナーの登山靴など買う? 登山靴を買ったから山に登る?

男のそれも中高年者にとっては"山は自然と向き合う楽しさがあるから登るのだ"などと力むつもりはないが、この本に出てくる女性は、人生の、生活のいろんなことを考え、悩みながら山に登っているのか、とかわいそうになって来る。まさか若い山女はみんながみんなそうではないのだろうに。

読んでいるうちに、作者の山の経験からか、それなりのユーモアと皮肉が際立ってくるが(「槍ヶ岳」など)、やはりこの本は山という題材を使った女性向き、若者向きの軽い人生相談の本のような気がする。
おじさんの立場では、読んでいてしんどい。

だから「読んでみたら」という推薦度は50%程度かな~。



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この記事へのコメント

くさかる
2014年10月04日 16:36
>おじさんの立場では、読んでいてしんどい。
そうそう、深く頷いてしまいました。これは中高年にならないと、分からないでしょうね。

それにしても、今回の噴火でもう山には登らないとか、山は自己責任とか言う人がものすごく増えましたから、ちゃらちゃらした山ガールとか家族登山とかは減るかもしれませんね。私にしたら少し人が減った方が山登りもしやすいですが、高尾山はあいかわらずすごい人なんですかね?富士山も来シーズンになると、また災害も忘れて大挙して登山者が押しよせるんでしょうか。それにしても、火山に家族や恋人を連れて行くのはやめたほうが無難ですよね。確率的には噴火に遭遇することはほとんど無いとは思いますが、やっぱり万一を考えると。
きらな
2014年10月04日 17:27
山登りはいつでも自己責任です。私も少しまともな山歩きとなるとかなり慎重で臆病です。山ガールが増えることは私はいいことだと思っています。何せ彼女たちが私などより健脚でし度胸がありますからね~。きっと山で自然に親しみ、また怖さを感じていると思いますよ。流行を追っての山ガールならそのうち淘汰されますよ。
御嶽山の噴火による遭難は本当に気の毒です。噴火は突然でしたし、運がなかったとしか思えませんが、亡くなった人には心からご冥福を祈りたいと思います。
藍色
2015年11月20日 14:31
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